マイケルジャクソンのムーンウォーク(moonwalk)

   

ムーンウォークとは、「マイケルジャクソン(Michael Jackson)」の代名詞として全世界を興奮させた技。低重力の月面で前に進もうと歩いているのに後ろに流されていってしまう様子を彷彿させる。前に歩くような足の動きをしながら後ろに滑るため非常にインパクトがある。

マイケルジャクソンが初めてテレビでムーンウォークを披露したのは、1983年の『モータウン25周年記念スペシャル:イエスタディ、トゥデイ・アンド・フォーエヴァー』の「ビリー・ジーン(Billie Jean)」のライブパフォーマンスの間奏で、このシーンの映像やエピソードは伝説的な扱いで今日でも様々なテレビ番組で紹介され続けている。なお、テレビではムーンウォークの含まれる間奏部分を中心に抜き出して紹介されることが多くビリージーンのパフォーマンス一曲分が通しで流されることは稀であるが、DVD『マイケル・ジャクソン ヒストリー・オン・フィルム2』で一曲通しで観ることができる。

「ムーンウォーク」という呼び方がメジャーになっているため、マイケルジャクソンが考案したムーブであるかのように思われがちだが、元々の正式名称は「バックスライド(back slide)」といい、専門的にはブレイクダンスのジャンルであるポッピング・アニメーションの中の「フローティング(floating)」というダンススタイルに属するテクニックである。ちなみにマイケル・ジャクソン本人も、ムーンウォークは元々ゲットーの黒人の子供たちが踊っていたブレイクダンスのポッピングから生まれたステップであり、それに目をつけ、基本を教わってひたすら練習したという趣旨のことを自伝の中で語っている(『MOONWALK by MICHAEL JACKSON ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝』マイケル・ジャクソン著 田中康夫訳 河出書房新社 2009年11月30日 初版発行)。

また、2009年から2010年にかけての空前のマイケルジャクソン・ブームのなか、ムーンウォークを用いたTV-CMが続々登場した。

  • グリコ(glico)ウォータリングキスミント(Watering KissMint)のTV-CM(登場篇)で、東京事変「能動的三分間」をバックに椎名林檎さんがムーンウォーク
  • 「どこまで下がるか、どこまで下がるか、大人も子供もどこまで下がるか」というフレーズにのせて大勢が一斉にムーンウォークする西友(SEIYU)のTV-CM
  • リプトン(Lipton)のTV-CMのボーリング編で剛力彩芽さんがストライクを決めた後に「ポウ!」と叫びハイテンションでムーンウォーク

映画ブレイクダンス(米題Breakin')のオープニングではマイケルジャクソンにムーンウォークのやり方を指導したといわれる[1]ターボ役のマイケル”ブガルーシュリンプ”チェインバーズ (Michael "Boogaloo Shrimp" Chambers)が、ナイキ(NIKE)のスニーカーを使用し、驚くほどスライド幅の広い、豪快なバックスライドを披露しているため良い参考になる。

  • ムーンウォークのやり方
    1. 両足を揃えて立ち、右足を爪先立ちにして全体重を乗せ、左足はべた足の状態で後方にスライドさせる
    2. 適当なところでスライドさせた左足を今度は逆に爪先立ちにして全体重を乗せ、先ほどまで爪先立ちにしていた右足をべた足にして後方にスライドさせる
    3. この1、2をを継ぎ目なく繰り返す。
  • ムーンウォークのポイントやコツ
    • 根本的に基本の足裁きができていないとバックスライドではなく「単なる後ずさり」になってしまいかねないため、まずバックスライドの正確なステップと絶妙な体重移動の方法を正しく習得することが重要
    • 一歩一歩のスライド幅を広くとったほうが浮遊感を高められる(ただし、その分、難易度も高まる)
    • 一度滑り始めたら「頭の高さ」と「移動速度」を一定にキープする
    • 爪先立ちは足の指の付け根でも良いが、より一層イリュージョン効果を高めるには、爪先の先端で行なうのが理想
    • 少し前傾ぎみのポーズをキープしてやると不思議さが一層増す

[1]ジェフリー・ダニエル(Jeffrey Daniel)もその一人。