ポッピングってどんなダンス?

   

ポッピング(popping)[1]とは、電気ショックで痙攣しているかのように身体をリズムに合わせて振動させることから名前が付いた、ロボットのような人間ワザを超越した動きで踊るダンスです。ストリートダンスの主要ダンスジャンルの一つで、オールドスクールというカテゴリーに属しています。

オールドスクール(old school)にはポッピング(poping)の他に、手足を素早く動かして突然ポーズしたり指さすコミカルな仕草が特徴の『ロッキング』(locking)や、頭や背中でクルクル回ったりするアクロバティックな動きが特徴の『ブレイキング』(breaking)があります。

日本には80年代初期~中期にアメリカ映画によって伝わり、特にポッピング・ロッキング・ブレイキングなどのオールドスクールにスポットを当てた映画『ブレイクダンス(米題: Breakin')』の大ヒットにより全国に広まりました。そして、これらポッピン・ロッキン・ブレイキンを包括した用語である『ブレイクダンス』(break dance)として一般の人々に広く知られるようになったのです。

ダンスは全然分からないという人、ポッピングと聞いてもいまいちピンと来ない人でも、次に挙げるポッピングの例のどれかをきっとどこかで一度は目にしたことがあるでしょう。

  • マイケルジャクソン(Michael Jackson)が映画『ディス・イズ・イット』(THIS IS IT)の中で見せる、ムーンウォークサイドウォーク(横のムーンウォーク)ハンドウェーブボディウェーブロボットダンスクラブステップコブラなどの技の数々
  • 東京ディズニーランドの3Dシアターアトラクション『キャプテンEO 』(Captain EO)で宇宙服のような格好したダンサー達が踊るカクカクした機械的なダンス
    ※2010年7月1日から東京ディズニーランドに期間限定で復活
  • マイケル・ジャクソンの『スリラー』(Thriller)や『スムース・クリミナル』(Smooth Criminal)、『リメンバー・ザ・タイム』(Remember The Time)などのPVの見せ場や重要なシーンでの超絶パフォーマンス(特に『リメンバー・ザ・タイム』では「キングタット」スタイルをメインにダンスが構成されています)
  • 80年代にお茶の間の人気を呼んだ風見しんご(風見慎吾)さんの大ヒットシングル『涙のtake a chance』の本格的なブレイクダンス
  • とんねるず&おにゃん子クラブのテレビ番組『夕やけニャンニャン』での「ターボに挑戦」のコーナー
  • 80年代後期、深津絵里さん出演のJR東海のクリスマスエクスプレスのCMで山下達郎さんの名曲クリスマスイブに合わせて彼氏役のダンサーが踊ったムーンウォークやウェーブなどのパフォーマンス
  • グラミー賞授賞式のハービーハンコックの『ロック・イット』のライブパフォーマンスで、単純な反復動作を繰り返していた"ラバーマスクにスーツ姿の人間型ロボット"が間奏になった途端、突然ステージ中央に集まりポッピングやブレイキングなどのブレイクダンスを踊り始めたときの衝撃(実はロボットのふりをしていたダンサーだった!)
  • かつて赤坂ブリッツ(BLITS)で行なわれた伝説のヒップホップ(HIPHOP)ミュージカル「ジャムオンザグルーヴ」(JAM ON THE GROOVE)日本公演で、ニューヨークのロック・ステディ・クルー(Rock Steady Crew)のMr.Wiggles(ミスター・ウィグルス)らが魅せた操り人形のパフォーマンスなど
  • 国内外の観光スポットや駅前などでストリートパフォーマーや大道芸人が踊るロボットや操り人形のようなパフォーマンス
  • スマップのテレビ番組『スマスマ』(SMAP×SMAP)の、映画ブレイクダンスをモチーフにしたレギュラーコーナーにて木村拓哉さんと香取慎吾さんが披露したダンス
  • ダンスボーカルグループのパニクルー(PaniCrew)[2]のメインヴォーカル植木豪さんをはじめメンバー全員で踊るロボットのようなダンスパフォーマンス
  • 2010年公開のディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド (Alice in Wonderland)」で、いかれた帽子屋マッドハッターが得意とするダンス”ファッターワッケン(Futter Wacken)”としてジョニー・デップが見せたくねくねしたダンス(※実際はジョニー・デップ本人が踊っているのではなく合成によるもの)ちなみに最後のアリスのダンスはクラブステップ
  • 日本でも頻繁に放映されたギャップ(GAP)のTVCF『Khakis groove』で、白バックを背景にギャップの洋服でコーディネートしたポッピンピートやスキーター・ラビットらが踊ったダンス
  • 須藤元気さん率いるワールドオーダー(WORLD ORDER)が「洋服の青山」のテレビCMなどで披露するロボットのような動き
  • キムタクこと木村拓哉さんが出演するギャッツビー(GATSBY)のTVCM、ムービングラバー(MOVING RUBBER)ラバーダンス編での、ポップやウェーブ、ムーンウォーク(サイドウォーク)など(※実際は木村拓哉さん本人が踊っているのではなく合成によるもの)

どんなにダンスに縁がなかった人でも、「なるほどあのダンスのことか!」と、きっと幾つかピンと来たものがあったのではないでしょうか。

ダンスを知らない人でも、専門的な知識など関係無しに、凄さや面白さがストレートに伝わる点がポッピングの大きな魅力の一つで、このように昔からTV番組やCMなどメジャーなシーンでも多く用いられています。

"ポッピング"というジャンル名の元々の由来は、筋肉を弾く(振動させる)テクニックをポップ(pop)と呼ぶことからきています。ポップコーンが弾けるイメージです。70年代後期に当時流行していたロボットダンスの動きに、筋肉を弾いて身体に電気が走ったような視覚効果を付加するテクニックを取り入れて発展させたのが始まりとされ、実際、ポッピングの基本技の中には『ツイスト・オー・フレックス』、『ネック・オー・フレックス』、『ボトム・ファースト』などロボットのような動きが数多く存在します。

[1]popping(poping)…かつては、ポップロック(pop lock)、エレクトリックブギー(electric boogie)という呼び名もあったが現在はポッピングと呼ぶのが一般的。略して単にポップ(pop)ともいう。ポッピングを踊るダンサーのことをポッパー(popper)と呼ぶ。これは、ロッキングはロッカー(locker)、ブレイキングはブレイカー(breaker)、ヒップホップはヒップホッパー(hiphopper)と呼ぶのと同様。

[2]パニクルー(PaniCrew)…2000年のメジャーデビュー後、バラエティや歌番組などでマルチに活躍している関西出身の8人組のボーカル&パフォーマンスグループ。メンバーは植木 豪、笠原 康哉、山本 崇史、堀内 和整、水野 哲也、佐々木 洋平、中野 智行、森田 繁範(敬称略)。 日本最大級のStreet Dance Contest、ダンスディライト(Dance Delight)で優勝の実績を持つなど、その実力は折り紙付き。